富士山を登る前日と同じ気持ち
中学生か高校生の時に富士山に登った。
登山は好きだし得意分野である。富士山を登ったきっかけはいたって簡単。
おじちゃんに誘われたから。
小さい頃から外でガツガツ遊びまわっている僕のこのアクティブさは完全におじいちゃん譲りだ。
おじいちゃんはたぶん今85歳ぐらいだと思うが、全国を旅行するのに数年前からはまり、今もどこかの剣を旅行中だろうってくらいアクティブな人だ。
二週間に一度くらいの頻度で
今〜県にいるよとラインで送ってくるぐらいだ。
行動力にもびっくりだが、80代でラインを使いこなしていることにも驚きだ。
そんなおじいちゃんがいきなり富士山に登らないかと誘ってきた。
数年前に登ってからまた登りたいらしい。
僕は喜んで行くといった。弟も一緒に誘われていたが、弟はしぶしぶ行くといった。
富士山にしぶしぶ登るやつなど他にいるのだろうか。
別に行きたくないと言えばよかったものの、その時の弟の考えていたことは今になっても謎なままだ。
登ったのは7月くらい。
暑い日だった。いつもテレビや画像で見る富士山はてっぺんらへんに雪が積もっているのばっかりだったから、雪がないゴツゴツした富士山は予想外で驚いた。
おじいちゃんは元気だが、さすがにいい年なので僕ら若者のようにガツガツは登れない。インストラクターをつけて、三日間かけてゆっくり登るという登山プランだった。
登りだし、歩きながらいろいろなことを考えた。
この山の頂上に行くということは日本の一番上に立つということ。
ワクワクでいっぱいだった。
できるだけ早く頂上を目指したいところだが、そうはいかない。
おじいちゃんは10代の子供たちのようには歩けない。
弟とバーっと登って、おじいちゃんが来るのを待ってという感じを繰り返しながら、登った。
最初に驚いたのは、途中の山小屋とかに自販機があったこと。
富士山に自販機あるんか〜い。と便利な反面、せっかくの富士山なんだし、作らなくても良かったんじゃないのかという気持ちで飲み物を購入した。
よく覚えてないけど500mlが200円くらいだった気がする。
買う前は高いなと思ったが、販売者は毎日のようにここまで来て補充しているのかなと考えると格安に感じた。
そんなこんなで無事宿泊先の山小屋に到着。
夜中の1時ぐらいにまた出発し、山頂を目指しご来光を見るという計画だ。
山小屋定番であるカレーを完食し、7時くらいに寝ようと試みた。
しかしこれが寝れない。
普段寝ない時間というのもあるが高山病でものすごい頭痛だった。
山小屋で寝る前になって富士山の脅威を感じた夜であった。
そう簡単に上させてたまるか。というかのように。
さすが日本一の高さを誇る富士山。
結局ほぼ一睡もできないまま山頂を目指すことになった。
深夜の2時過ぎ暗い中頭にライトをつけて進む。
たくさんの人がライトをつけ山頂を目指す。
上を見上げると登っていく人たちがライトで光って山頂まで線みたいになって美しかった。
頭痛と戦いながら歩き続けた。これは何かの訓練なのか?と数回思った。
でも後ろを見ると、おじいちゃんがきつそうによちよちと登ってきている。
祖父に孫が負けるわけにわいかないのだ。
おじいちゃんは登り切ったけど僕は途中で諦めて下で待ってたよなんて、親族には報告できない。
そんなこんなでなんとか頑張れた。
そして無事山頂到着。
一番最初に思ったのは
人多っ。
山頂にはたくさんの人が溢れかえっていた。
今日こんなに富士山登った人いるの?と思うくらい。
富士山の頂上で朝会が開かれてもおかしくないくらいの人がいた。
その日は天気も良く、無事ご来光を見ることに成功。
達成感が半端じゃなかった。
俺は今日本で一番高いところにいるぞと胸を張り自信満々で下の景色を見下してやった。
下には雲しか見えなかった。
結局富士山は行ってよかったなと思えるところ。
行く前のドキドキも楽しい。
今まさにその気持ち。
明日次のステイ先に移動するのだが、写真でしか見ていないし、どんなところかもわからない。
でもきっと行ってよかったと思えるようなところ。
神様がもし今お願いを聞いてくれるなら間違い無く、ヤギさんたちもつれていきたいですと頼む。
ホストファミリーとお別れするよりもヤギさんたちとお別れする方が正直言って寂しい。
ホストファミリーとの関係が良くなかったという意味ではない。
彼らも最高な人たちだ。数年後に絶対に会いに行くと決めている。
でもヤギは彼らを越す感情を僕にもたせた。
連れて行きたいところだが、ヤギの立場からすると、とんでもなく迷惑なだけでしかないので、明日ちゃんとお別れしようと思う。
2018年始まってから2ヶ月目だが、
今年は良い人々と良いヤギに恵まれている。
が今のところの感想だ。