Living my life

カナダ生活、日々思うこと、様々です。将来どころか明日も見えていない。これだから人生は楽しい。

犬の世界

フィンという犬がいる。

 

新入りだ。三日ほど前にこの家にやってきた。

この家で飼うわけではない。

飼い主がどこか遠くの名前も知らないような島に旅行中のためその期間だけ預かっているのである。

 

 

 

フィンはフサッとした茶色の毛に、茶色の目でまだ3歳ほどの男の子だ。

犬種はよくわからないが、あまり見たことがない。

 

 

フィンはとても面白い。何が面白いのかというと彼にはかなり人間ぽさがある。

とてもシャイで初めての人が撫でれることはほぼないだろう。

 

茶色の目でしたから人の顔色を伺うように見てくるあの感じは初めて出会い会話するときの人間の表情にすごく似ている。

 

数日経った今でもあまり撫でることはできない。

というか自分らがご飯を食べているとき以外は触ることができない。

 

 

人間に例えるならフィンは性格の悪い人見知りの気分屋といったところだろうか。

かなり悪口に聞こえるが彼のそういうところを気に入っていたりする。

 

毎晩19時頃夕食を食べるのだが、夕食を食べるたびに彼は僕の太ももの上に顎をちょこんとのせ少しちょうだいよと言いたげな目でこちらを見てくる。

 

 

食事以外のときに彼を見つけて

フィンおいで!

と声をかけても彼は来ることはない。

 

たまたま近くにいて触ろうと試みるが築かれた瞬間に彼は走り去る。

言ってしまえば僕には興味が全くないのだ。

 

僕どころか全ての人間に対してそんな感じだ。(飼い主はわからないが。)

 

 

 

撫でようと試み名前を呼んで彼の目を見つめても彼はこちらには来ず、それどころかそのうち吠え出してしまう。

 

しかしどうも彼のことを嫌いにはなれない。

飯だけよこしてそれ以外は関わらないでくれと言わんばかりの彼だが、そこが気に入っている。

 

人間という生き物に対して従うことはなく逆にごはんをくれるいいカモとまで思っているんじゃないかと思わせる彼の行動はしっかりと芯を自分の中に持っていて素晴らしい。

 

 

27匹も他の犬に影響されることもなくまた彼らと仲良くなるということもしない。

一匹狼のようだ。

 

 

そして彼はものすごく頭が良い。

 

家の壁に犬用の小さな穴があり普段犬たちはそこから外へと出入りをするのだが、人間が出かける時など犬を家の中にいさせたい時に穴がある部屋のドアを閉める。

そうすると外に犬が出ないため安心なのだが、フィンはドアの開け方を知っている。

 

他の犬は誰一人ドアを開けようと試みないが、フィンはいつの間にか開け方をまなび自由に出入りする。

 

 

閉めても閉めても開くドアに僕らも最初は悩まされた。

初めてフィンがドアを自分で開けているのを見たときは驚いた。

 

 

フィンのように自分を持って生きている犬もいればご飯につられて人間の支配下に置かれてしまっている犬や太りすぎてただ寝ることしかできなくなってしまった犬もいる。

 

 

犬の世界についてのお時間でした。