ブサ可愛い犬、ブサ可愛い人間
ブサ可愛いという言葉。皆一度は聞いたことあるだろう。
正直僕はこのブサ可愛いという言葉が好きではなかった。
ブサイクと可愛いは全く別の言葉だしむしろ真逆の言葉なのにくっつけて使うなんて意味わからんやん。どっちやねん。って思っていた。
だがしかし、そう思っていた自分はもういない。
納得した。ブサ可愛い。うん。今ならわかる。
誰がブサ可愛いのかというと犬。
27匹も犬がいれば1匹くらいはブサ可愛い奴がいるのだ。
ついに見つけてしまったブサ可愛い動物。
顔面はどんまいとしか言えないほどのブサイクなのだが、それを超えてどこか可愛げがあるのだ。
人々はこれをブサ可愛いと言っていたのだろう。納得。
しかもブサ可愛い動物というのはだんだんブサイクを超えて可愛いだけの動物に見えてくる。
あれはもはや可愛いの一種ではないのだろうか。
結局可愛いのだから、可愛いに部類することが可能であると考える。
最近ブサカワ犬と一緒に寝ているのだが、実にブサ可愛い。
寝る前電気を消す時に寝顔を確認するとブサ可愛い。朝起きて蚊をを見てみるとブサ可愛い。ご飯を食べているときですらブサ可愛い。
ブサカワすぎてそれしか頭に残らない。
中途半端にブサイクなヤツよりも100倍マシな気がしてしまうほど。
たまに歯をむき出しにして他の犬に向かって威嚇することがあるのだが、それをするとさらにブサカワいくなる。
この言葉を作った人もこんな感じだったのだろう。
あれ?なんかブサイクだけどそこがもはや可愛くね?って感じ。
この言葉を人間に使うことも可能なのだろうか。
頭の中でイメージしてみたが不可能ではないと考える。
大概の人たちは人に対してブサイクという言葉で終わらせる。
あいつブサイクだよね。とか。
それ以上にいくことがあまりないと思う。
例えばひとりのおデブちゃんがいたとしよう。
僕の恋愛対象は女性なので女性で考える。
おデブはおデブでもぽっちゃり。
ゴリゴリのおデブではない。
その子の顔は整っているとは言えない。だが、お肉によって顔がまん丸でありそこに可愛さがある。
それはブサカワ女子ではないのだろうか。
おデブやブサイクの後にそれらを全て含めた上でどこか可愛げがあるとなったらそれはブサ可愛いに違いない。
そしてブサカワな彼女と交際を始めることになった僕。
電車などで隣に座る際はおデブちゃんなので少し窮屈だが、顔を見るとまん丸としていて可愛い。
親御さんに挨拶に向かう。
ノリのいい親御さんで軽いノリ笑顔でで聞かれる。
うちのこんな子のどこが好きなのかい?
そして僕は答える。
なんといってもこのブサ可愛いところです!
笑っていたお父さんの顔が真顔になる。
どうやらブサ可愛いという言葉に面識がない様子。
は?ブサ可愛い?
僕は必死に弁解をする。最終的には可愛いんですと。。
いくら可愛いと言っても可愛いの前にはブサがついてしまっている。
お父さんは納得いかない様子。
気まずくなる。
ブサ可愛いを人間に使う際は時、場所、人に気をつけて使おう。