辛さ1〜100まで選べるカレー屋
通っていた高校の近くにスープカレー屋さんがあった。
別にインド人のカレー屋さんとかでもなく、普通の日本人がやっている普通のお店だった。
初めてそこに行ったのが高校2年くらいの時。
学校でも少し話題になっていた。
何が話題になっていたのかないうとそこのメニュー。
カレーをまず選択するのだがその後に選択するのが辛さ。
なんと、数字で1〜100まで辛さが選べるのだ。
基本的には一桁の数字をオススメしていると書いてあったということで、1〜10が普通の辛さなのであろう。
初めて行った時はレベル10を頼んだ。
友達は12を頼んでいた。
食べてみると辛すぎて笑いが出た。
レベル10にもかかわらず普通にからかった。
しかもスープカレーだからか、普通のカレーよりさらに辛く感じる。
何より思ったのが、レベル10でこの辛さかよ。だった。
確か記憶では完食した気がするが、相当きつくて、舌がほぼ麻痺していたということを覚えている。
カレーはめちゃくちゃ好きなのだが辛いのがあまり得意ではない。痛すぎて味もよくわかんなくなってくるあの感じはもはや食べている意味を疑い、食べなければよかったとひたすら後悔すらもしてしまうのがいやなのだ。
その日はレベル10にやられた日だった。
レベル10以上は絶対に食べれないなと悟った。
学校からも近く、味は美味しいためその後もちょいちょい通っていた。
自分の中でレベル8が安定しすぎて初日以来レベル8しか頼まなくなっていた。
周りの友達は意外とみんな辛いのが大丈夫な連中だったため、その店に行くごとにレベルを上げてていた。
そんなプチ常連のような感じだった僕たちは1つの疑問をもつ。
レベル25と26って変わりあるの?という疑問。
レベルが100まであるということは少なからず100種類のカレーがあるはずだ。
しかし、100もレベルがあるため、そこまでちゃんとしているのか?という疑問が出てきた。
ちょうどその時は友達はレベル18くらいまで進んでいたため、レベル20と21、2つ頼んで比べることにした。
まず見た目、変わりなし、匂い、変わりなし、実食、変わりなし。
変わりなしだった。マジで違いがわからなかったため、店員さんに一応聞いて見た。
すると味は一緒だけどスパイスの量が少しだけちゃんと増えているらしく、インチキというか、嘘ではないということが発覚した。
その話を聞いた後に何回か食べ比べたが違いがマジでわからなかった。
そしてそれから数週間友達がついにレベル100に挑戦すると言い出した。
もうここまで来れば誰も止めることをしなかった。
そして彼はレベル100を注文しようと試みたが、なんと店長曰く、ほぼ100%、レベル100のオーダーが入ることがないため、材料がお店にないと言われてしまった。
しかも、今からすぐ材料を買い出しに行くことはできるがレベル100は完食限定とか言われる始末。友達は普通に諦めた。
普通に諦めていたがそれは正しい。
レベル100を完食した頃に舌にお湯を垂らしても気づかないんじゃないだろうか。。。
友達が、きっちり100種類スパイスの量は違うのに、材料がそもそもないことなんてあるんだねと呟いた。
その通りであった。