生まれて初めての卵シェア。
近所のおじさんと朝食を食べた。
以前ポップコーンを作ってくれたおじさんであり、割と仲がいい。
犬のごはんが終わり、僕らの朝食タイムとなったのだが、いつも僕はシリアル、おっちゃんは卵焼きと決まっていて、ほぼ毎日その献立なのだが今日のおっちゃんの献立はいつもとは違かった。
まずお湯を沸騰させようとしていた時に僕はいつもと違うのに気付きとっさに今日は何食べるの?と聞いてしまっていた。
おっちゃんはボイルドエッグと答えた。そう、ゆで卵だ。
どうやら献立を変えることはあっても卵をベースにしているところは毎回同じようだ。
そしておっちゃんは続けて、最高のゆで卵の作り方を教えてやるよと言ってきた。
それは正直気になる。ゆで卵を食べるのはかなり好きだが、自分で完璧に作れるのかと聞かれたら、過去に数回しか作ったことはない。
こうしておっちゃんの朝食クッキング教室は開園した。
どうやら卵の中身が個体になったかまだなっていないかは、卵のスピンでわかるらしい。おっちゃんはたまに見せるドヤ顔で説明してくれた。
お湯から卵を出し、机の上に卵を置いてクルッと回してよく回れば中身はもう食べどきらしい。おっちゃんは2個、僕は1個の合計3個を入れていた。
これだけだそうだ。あとはひたすら待つ。
おじちゃんがついに椅子から立ち上がった。どうやら完成間近らしい。サッと慣れた手つきでおっちゃんは卵をすくい上げテーブルの上に3個置いた。
どうスピンさせるかわからなかったので、おっちゃんが回すのを見てからやることにした。
おじちゃんが指でクルッと回すと卵はすごい勢いで回った。
そしてそのままテーブルから落っこちた。予想外なことすぎて僕の頭は完全に何が起きていたのかわかっていなかった。
そして床でぐちゃっとなっている卵を見て、状況が一気に理解できた。そして爆笑した。
テーブルから落ちてしまったプラス、中身がまだ半熟だったのだ。もうあの卵を食べることはできない。どーやらあの卵は茹で上がっていたからよく回ったのではなく、おっちゃんのパワーで回転させられていたようだ。
おじちゃんも爆笑していた。
そしてもう一つの方を試す。最悪なことにもう一個もテーブルから落ちる。
ありえるだろうか?に連チャンで卵を落とすということが。
本当にこれはおっちゃんがよくない。
僕に見せているからかわからないが、どうも力んでしまっているようでスピンが強すぎて卵が飛んで行ってしまう。
そして最初のやつが床に落ちて半熟だと気付いたのにもう一つを鍋に戻すことなく、もう一度チャレンジしてしまったため、もちろん2個目も半熟だったのだ。
呆れてしまった僕とおっちゃんは僕用の卵を鍋に戻し、数分後一つの卵をおっちゃんと僕でシェアした。そんな朝だった。
朝から予想外なことばかりで驚いたが、最後に一つの卵をシェアしたことによっておっちゃんとの友情がさらに深まったことにも驚きだった。
卵シェア。悪くない。