やはり別れはきつい
楽しかったこの島での生活ももうそろそろ終わりが近づいてきている。
僕もイギリス人カップルもこの生活の終盤を迎えていたこの一週間であった。
そして昨日ついにイギリス人カップルが最終日を迎え、次の目的地へと旅立っていった。
彼らが旅立ったのはバンクーバーアイランドと呼ばれるまた別の島である。
出会った最初の頃は彼らの英語を聞き取ることが難しくあまり仲良くはなれないかと思っていたりしたが、数週間生活をすればそんなことはない。今ではすっかり仲良しになることができた。
好き嫌い関係なしに毎日一緒に生活をするということはこの生活のいいところでもあり、悪いところでもある。
毎日普通に生活していたにで、最終日も最終日という感じが全くしなかった。本当に行っちゃうのかなあとぼんやり思うくらいで信じられていなかった。
お別れの時が来て二人とハグをした後本当にバイバイなんだなあと感じた。またご飯にでも行こうと約束し笑顔で彼らを見送ることができた。
しかし、彼らの可愛がっていたワンちゃんはそうではなかったようだ。
そのワンちゃんは数週間前にここにきて彼らの元毎日生活を送っていた。寝る時も昼間お手伝いしている時も必ずそのワンコはそばにいた。しかし、今回彼らが旅立ってしまったということで、お別れとなってしまった。
彼らイギリス人たちが寝泊まりしていた建物が僕の部屋の後ろにあるのだが、彼らが去った今でもその建物のドアの前でそのワンコはずっと座って悲しそうな顔をして待っていた。そこにはもう誰もいないと伝えてその場から連れて行こうとしてもそのワンコは動こうとしない。
そのワンコもそこには誰もいないことに気づいているに違いないがあの子の中でまだ受け入れられていないという気持ちと信じたくないという気持ちもあるのだろうか。
彼女はずっと寂しそうな顔をしている。
いくら他の犬との散歩に誘っても、彼女はそこから動こうとはせずさんぽにも来ようとしない。
僕の中では以前考えたのだが、犬の中での幸せを考えた時に食事、散歩、睡眠が彼らにとって最大の幸せであると考えていたが、その散歩に行きたくないくらいの気持ちと考えると、あのワンちゃんは相当落ち込ん外いると思われる。
そしてそれどころか彼女はその日の夜ご飯も食べなかった。
まだ彼らカップルがいなくなってから一日しか経っていないということもあるがこれ以上この状況が続かないことを心から願いたい。
彼女が立ち直れるように頑張るでごわす。