Living my life

カナダ生活、日々思うこと、様々です。将来どころか明日も見えていない。これだから人生は楽しい。

ホームレスと1000円を稼ぐ道のり

 

今日は本当に衝撃的な一日であった。

間違いなく今年一と言えるであろう。

 

 

昨日からバンクーバーに滞在しているのだが、今日は午後3時まで予定がなく、バンクーバーをプラプラしようと考えていた。

 

バンクーバーは東京などに比べてそこまで大きくもないし、今日は観光をしようと思っていた。

 

朝8時頃にコーヒーとサンドウィッチを買いお気に入りの海沿いの公園に行ったのだが、そこから僕の今日一日が始まった。

丘の上にあるベンチに座って朝食を楽しんでいたら後ろから一人の男が僕の周りをうろちょろしだした。しかも片手にはナイフ、片手には木の棒を持っていた。

 

普通に朝からビビってしまった僕はじっとその人を見ていた。何かを探しているようなのだが、どうも手に持っているナイフのせいで落ち着かない。いつかは刺されてしまうのではないかと思うくらい怖かった。ので、自分から話しかけてみることにした。

何を探していますか。と尋ねた。すると彼は笑顔でボトルだよと答えた。そのあとに簡単な挨拶を済ませここで何をしているのかを聞いた。

 

 どうやら彼はホームレスらしく、缶やペットボトルを集めてそれを専門のお店に持って行きお金をもらうために缶やペットボトルを探しているらしい。

話していてとても優しく、バンクーバー出身でありとてもこの辺に詳しい。ぼくは三時まで手伝ってもいいかと聞いた。すると彼は笑顔で歓迎してくれたため今日は彼と一日を共にすることが決定した。

 

今まで人生の中でホームレスの経験がないぼくにとっては全てが新しかった。道を歩いていてゴミ箱を見つけては中身を確認して缶やペットボトルがないか確認している彼を見て最初は周りの目がとても気になった。

通りすがる人は結構な確率で僕らを見てくる。ゴミ箱をあさっているだけでも目立つのに白人のホームレスと日本人のよくわからん奴が一緒にゴミ箱をあさっていたもんだからさらに目立っていただろう。しかし時間とともに人の目もあまり気にしなくなり僕らは二人の共同作業を楽しみながらすることができた。

 

今までやったこともなく全然知らなかったが、ゴミ箱をあさったり、ポイ捨てされている缶やペットボトルをどんどん集めていくと相当な数になる。最初は大きい袋に二人でどんどん入れていったが次第にバックもパンパンになり二人でこれ以上は持てないというくらいの缶やペットボトルを集めることができた。

 

それらを持ってお金に変えてくれるスーパーへ行った。

24缶で50円ほどになった。お金をもらい彼に渡そうとしたが、お前も働いてるんだから半分こだと彼は笑顔で言った。

 

 

スーパーを後にし、少しの小銭を得た僕らはさらに缶やペットボトルを探した。

街を歩き回る中で、様々な建物やお店を見ることができた。お店の前を通るたびにこの店は昔からあるとか、ここのスーパーよりここの方が安いよとか色々な情報を彼は教えてくれた。

 

そして缶集めを3回ほど繰り返し僕らは一人1000円ほど得ることができた。

ひと段落し、お腹が二人とも空いたため次は職探しに行くことになった。どうやら近所のパン屋さんが賞味期限が近くなったパンを週に一回無料で配布しているらしくそのパン屋さんに向かった。

そして無事に二人とも無料でパンをゲットし、次の場所へと向かった。

 

 

そこで3パックほどパンをもらったのだが、どうやら彼はそのを友達におすそ分けしたいらしく、その友達の家に向かうことになった。ダウンタウンのど真ん中にある見た目はものすごく古い建物に入った。聞いたところここの家賃は一ヶ月3万らしく、貧困者がたくさん住んでいるそうだ。

 

友達の部屋につき彼の友達たちと出会った。とても衝撃だったが彼らは見るからに危ない物をやっている目や表情をしていた。会話もトロトロしているし、見た目や行動も明らかにシラフとは思えないような人たちがそこには3人いた。

 

 

最初はここで殺られてもおかしくないなと恐怖もあったが、その人たちともしゃべり無事友達になることができた。悪いことをしている人たちには変わりはないが、人間性までは失っていないようだ。ちゃんと笑顔で会話をしてくれた。

 

そこで彼らと話している間にも危ないものを求めてその部屋を訪れる仲間たちが数名いた。みんな見た目は魂がこの世にいないような顔をしているが喋ってみるとみんな本当に優しい人たちであった。これがカナダの裏社会なんだなあと感じた。

 

まあまあ話し込んで僕ら二人はそこを後にした。

そしてそのあと最初の彼とも結構語り合った。このまま3時まで付いて行こうと思ったが、次行く人のところが本当に危険なとこらしく僕を連れていきなくないと彼が言い出したため、仕方なく断念し彼とお別れした。

 

 

これからもバンクーバーに住み続けると言っていたのでまたいつかこの地で会えることを楽しみにしている。

 

今日一日で得たものはとても大きい。1000円を稼ぐ大変さ、食事の大切さ、その他にもたくさんおことを学ぶことができた。

 

彼らと出会ったことで裏からではあるがバンクーバーの姿をよく見れたと思う。危険ななことをやっている人たちもたくさんいるということも事実だし、空き缶やペットボトルをその辺にポイ捨てしまくる人々がいるという事実も知ることができた。

 

 

たまに普段生きていることの尊さや、当たり前ではないということを感じるためにこれからもたまには都市部でこういうことをしてみるのもとてもためになると学べた今日であった。

食べ物、お金、生活たくさんのありがたみを感じた一日だった。